惑星「ノスタルジア」の物語

【3】六角の書斎と古びたノート

王国歴62年実りへの感謝月17日 興奮冷めやらぬ中、私は筆を執とっている。 どのようにしてこの場所にたどり着いたのか、あまりにも奇想天外で、未だ理解ができないのだ。 まずは、今後のために経緯だけでも記しておこうと思う。 これは、夢なのかもしれない。そうであれば、早く覚めてほしいものだ。 その日、私はいつものように、新しく完成した万能服を町の皆に披露していた。 皆の反応は常にそっけないものだ。私の考えが正しければ、これらの品々はあの町どころか国そのものに大きな利益をもたらすに違いないのだが。 町の者の一言で ...

【2】時を忘れた屋敷

間もなくでございます。先日の雨で石畳が濡れておりまするので、どうぞ、お足元にご注意を。 見えて参りました、先の屋敷にございます。 ええ、広い屋敷でございましょう、こちらを訪れた方のためにご用意させていただいているものでございます。 なにせ先祖代々受け継いで参りましたもので、大層古くございますので、何かと不都合なこともお有りかと存じますが何卒なにとぞご容赦下さいませ。 はい、今は私一猫ひとりで管理させていただいております。 いえいえ、ご安心下さい。私これでも13風化年ふうかねん、案内係を携わっておりますので ...

【博物誌】洞窟ウサギと星屑の空

ベルベット・フローライトは不思議な兎。 その体は結晶でできていて、宝石がたくさん眠る鉱山の洞窟の中に住んでいます。 彼女は洞窟から外に出ることはできません。 洞窟の中はいつも賑にぎやかです。淡く光るコケに照らされる宝石や、透き通った湖、ここには綺麗なものがたくさん。 でも、ベルベットは洞窟の外を見たくてたまりません。 ある日、聞いたことも無いような大きな音が響いてきました。 驚いたベルベットが蝙蝠こうもりに訊ねると、洞窟の天井が崩れ、外に続く大きな穴が開いたそう。 外が見たくてたまらない不思議な洞窟兎どう ...

【1】迷い森の出口にて

おや、お客様でいらっしゃいますか? これはこれは…、ようこそお越しくださいました。 はい、申し遅れまして、私はこちらでお客様のご案内をお引き受けしております、縞猫しまねこのミケジと申します。以後お見知みしりおき下さると幸いでございます。 「猫が喋ってる」…でございますか? かようなお言葉を頂戴ちょうだいするのは二度目にございます。 もうどのくらい昔になりますか…以前ご案内申し上げた御仁ごじんも、初めてお会いしたときは左様さようにおっしゃられました。 せいたかみみなし猫種、、、、、、、、、、様がたの初対面の ...

【Prologue】らっかせい男のおはなし

子供に語られるおとぎ話について、内容に各々おのおのの土地柄を反映した差違さいは見られるものの、共通点が多いものがある。 子供に社会的ルールを教えるための教訓を含んだ寓話ぐうわなど。 しかし今回聴いた話は、村の周辺地域に似たような話も聞かない(交易が少ないため?) どちらかと言うと過去に村にあったゴシップ的な出来事が誇張こちょうされて伝わったものだろうか? 【フィクシオ大学民俗学研究室所属研究員、テル教授チーム、アリー氏の手記より抜粋】 むかしむかし、あるところに、小さな国がありました。 小さな国の小さな町 ...

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