惑星「ノスタルジア」の物語 惑星「ノスタルジア」の物語

【2】時を忘れた屋敷

間もなくでございます。先日の雨で石畳が濡れておりまするので、どうぞ、お足元にご注意を。

見えて参りました、先の屋敷にございます。

ええ、広い屋敷でございましょう、こちらを訪れた方のためにご用意させていただいているものでございます。
なにせ先祖代々受け継いで参りましたもので、大層古くございますので、何かと不都合なこともお有りかと存じますが何卒なにとぞご容赦下さいませ。

はい、今は私一猫ひとりで管理させていただいております。
いえいえ、ご安心下さい。私これでも13風化年ふうかねん、案内係を携わっておりますので、いつ何時なんどきお客様がお越しになられてもよいように、常に準備は怠っておりませぬ。

「この屋敷、猫には大き過ぎないか」ですか?
確かに、この屋敷は辺りで一番大きいものですので、作業に骨が折れることも、ままございますね。
ええ、こちらにおりますのは、私一猫ひとりでございますよ。

どうぞ、こちらのお部屋でお茶でもお召し上がり下さいませ。
にゃにゃ!そんな端に座らずとも!
お好きなところで結構ですよ、歩き通しでお疲れでしょう。
ただいまご用意致しますゆえ、どうぞごゆっくりおくつろぎ下さいませ。

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